トリュフ

お題「昨日食べたもの」

 日出先のレストランで生まれて初めてトリュフを食べることになった。「どんな味がするんだろう、きっと美味しいんだろうなあ」と期待に胸を膨らませながら、それを口に運んだ。その時、頭に電流が走った。何も味がしなかったからである。「そんなバカな」と思い、もう一口二口食べても口に広がるのはトリュフが醸し出す上品なハーモニーではなく、クエスチョンマークだった。「自分は頭だけでなく舌も馬鹿なのか」と己の不出来に心を痛め、もし舌にIQがあったら多分自分は3ぐらいだと思った。同伴者に「うーん、上品な味がするねえ」と知った口を聞くのがせめてもの抵抗だった。失意のせいか、窓辺のガラスに映った自分の目があまりにも死んでいてびっくりした。帰りに忍者グミを買って食べた。美味しかった。おすすめはコーラ味。